2011.08.20 Saturday

清里→豊島→丸亀でアートの夏休み

アートは大切なことを教えてくれる

一週間の夏休みに、清里フォトミュージアムで
「グレイト・スピリット/カーティス、サンダール=アフカミ、八木清の写真」展
をみてきました。

以下、展覧会サイトよりー
かつて、ネイティヴ・アメリカンとともに暮らし
20年にもわたって記録し続けた写真家がいた。
そしていま、同じようにアラスカやモンゴルで
自然とともに生きる人々を記録し続ける写真家がいる。
寡黙でありながらも力強いポートレイトが
静かに問いかける。
あなたは、どう生きるのかー

「グレイト・スピリット」とは、アメリカ先住民の言葉「ワカン・タンカ」と
言われ、大いなる不思議と言う意味で、
そのスピリットはあらゆる物の中にあるとされているそうです。
命あるもの(又はあったもの)すべてに畏敬の念を持つということ
なのだと思います。

時代を超えた三人の写真家が捉えたアメリカとアラスカ先住民、
モンゴルの人々の姿はものすごい(ものすごいとしか言いようが無いくらいに)
強さで、それはそれぞれの土地に根ざした「個性」というような
ものだと思いました。
自然や動物とともにあろうとするアメリカ先住民の肖像は、
約100年前にカーティスによって撮影されました。
その中で釘付けになった写真は、動物の毛皮をまとって大きな鳥の羽を
持った人。私はほとんど動物なんだとでも言っているような、
生き物との調和を計るどころか、動物になろうとしているように見えました。

サンダール=アフカミのパネルに書かれていたモンゴルの老齢のシャーマンの
言葉をノートに書き留めました。
「私たちは三つのもの…自然、動物、そして祖先の記憶とつながって生きている。」

震災後、改めて気づかされ、度々言われて来た自然と人間との結びつき、
自然や動物への畏敬の念という、最も大切なこと。
「グレイト・スピリット」展は写真を通して、改めてそれを教えてくれました。

「グレイト・スピリット/カーティス、サンダール=アフカミ、八木清の写真」展
2011年07月06日 〜 2011年10月10日

清里フォトアートミュージアム http://www.kmopa.com/
〒407-0301 山梨県北巨摩郡高根町清里 3545-1222

そして夏休み後半、山の空気たくさん吸った後は、四国香川県へ。
高松から船で豊島へ渡り、念願の豊島美術館へ行きました。
高松には去年の10月に「瀬戸内国際芸術祭」で来たばかりですが、
その時豊島美術館はまだオープン前でした。

以下、豊島美術館サイトよりー
瀬戸内海を望む豊島唐櫃(からと)の小高い丘に建設される
アーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛による「豊島美術館」。
休耕田となっていた棚田を地元住民とともに再生させ、
その広大な敷地の一角に、
水滴のような形をした建物が据えられます。
広さ40×60m、最高高さ4.5mの空間に柱が1本もない
コンクリート・シェル構造で、
天井にある2箇所の開口部から、周囲の風、音、光を内部に直接取り込み、
自然と建物が呼応する有機的な空間です。
内部空間では、一日を通して「泉」が誕生します。
その風景は、季節の移り変わりや時間の流れとともに、
無限の表情を伝えます。

写真左の白い道は、豊島美術館の建物に続いています。
画面右の建物の中にはギフトショップとカフェスペースがありますが、
外側に立っている樹の影が外壁の曲面に落ちて、とても美しい。
美術館に続く道にも周りの植栽が影を落として、
建物とそれに続く道を白く作った理由は、美術館に入る前の
イントロダクションで、自然を意識させる演出がされたアプローチです。

豊島美術館は白い大きな水滴のような形です。
大きくふたつの穴が空いていて、そこから見える物はもちろん空。
足下を見ると、床の無数の小さな穴から水滴が現れて形を変えて行きます。
それが広い空間の床のあらゆる場所に、コロコロと、キラキラと散らばっている。
外から入って来た小さな虫や木の葉や風や光と、
共存していると感じさせる空間です。
ここに来た人たちは、それぞれが程よい距離を保って、静かに水滴を見つめたり、
ごろりと横になって目を閉じたり、この空間を体中で楽しむ様に
安心してゆっくり過ごしていました。
言ってみれば、雨風がしのげる、という最低限の空間であり、
容易に造る事が出来ないこの建造物は、
芸術が人(生き物)を癒すと言うことが形になっている場所だと思いました。

また、必ず訪ねて行きたい場所がひとつ増えました。

豊島美術館

http://www.benesse-artsite.jp/teshima-artmuseum/

〒761-4662 香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
豊島シャトルバスはフェリーの発着所である家浦港から。


豊島から戻った次の日、香川県丸亀市へ行きました。
丸亀はうちわの産地。全国のうちわの85%以上を生産している街です。
丸亀駅前のMIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で8月21日まで開催されていた
「杉本博司アートの起源/歴史」をみました。
私にとっては、いつも意識している訳ではないのに、偶然見る事になることが多い
杉本作品です。
蝋人形をポートレートのように撮影した作品、近代ファッションの
代表的デザイナーの服を撮影した作品も、ファッションのポートレートと
言えそうです。
これらの大きな作品は全体を見ると言うよりも、私にとってはそれぞれの
ディテールに目を凝らしてい見る事になりました。
写真作品を見ていると言うより、写っている物、そのものを見ています。
写っている物が素晴らしくて、ディテールから目が離せなくなる、
そんな感じでした。

こんなに大きなゼラチン・シルバー・プリントは、一体どうやって
焼かれるのだろうと思っていたら、専属のプリンターがいて、
想像通り、体格の良い人のようです。

自由で子どもの様な感性と視点を持った、猪熊弦一郎作品の
常設展示も見応えがあります。

今現在行われているのは、1年間続いてきたプロジェクトの最終展。
“今、読めない先を見るためには、振り返らなければならない時がきたのだ。”と語る
杉本氏が最後に選んだテーマは「宗教」です。

杉本博司アートの起源/宗教
会期:2011年8月28日(日)−11月6日(日) *会期中無休
MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館