2011.09.22 Thursday

ふたつの被災地支援 チャリティー写真イベント(1)

支援の形と被災地の写真

22日の夜、ふたつの写真イベントに行きました。

(1)「写真家のチャリティー写真販売」
飯倉のAXIS Galleryで開かれた「写真家のチャリティー写真販売」は、
ゼラチンシルバーセッション(GSS)が主催する写真販売の売り上げ全額を
あしなが育英会を通じ、被災地のこども達へ送るというもの。
GSSは、銀塩写真の技術と素晴らしさを次世代に伝えて行こうという目的で
写真家が集まって立ち上げたプロジェクトです。
一点30,000円で有名写真家のオリジナルプリントが買えるというのは、
かなり魅力的な事。
5月の第一回目を見逃した私は、販売が第一条件で企画されたイベントが
どんなものかちょっとわくわくしながら出かけました。

感想はというと。一番に言えるのは、写真家によって作品を売ると言う事の
解釈が違っている様に見えたことです。
シリーズの作品を複数点展示している人と、1作品を3点(たとえばプリント違い。
エディションが付いている訳ではない)
展示している人のふたつに分かれていて、
売る事が目的であっても、自分の作品を見せようとしているか、
又ははっきりと売る事に特化させているかの違いだと思いました。
それぞれの写真家がどう考えていようと、この場では売れれば良いとも言えます。
でも、写真展示ってそんなものなのかな?とも考えさせられました。
それが30,000円という一律の値がついていると言えども、
写真を買う人、写真ファンの対する写真家が提示する態度の違いだ
という気がしました。

インクジェットのピカピカなプリントもバライタ印画紙の美しいプリントも、
往年の大御所写真家、第一線の人気写真家、それに若手も、
たくさんの作品を見る事ができます。
素材による写真の質の違い、展示による見え方の違い、
引いて見れば写真を売ると言う事の難しさまで見えて来たイベントでした。
この週末、いよいよ販売されます。たくさんの寄付が実現されます様に。

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東日本大震災復興支援プロジェクト
「写真家のチャリティー写真販売」

http://caps.vc

〈参加写真家〉上田義彦、操上和美、小林伸一郎、今 道子、鋤田正義、瀧本幹也、
平間 至、藤井 保、本城直季、三好耕三森山大道、八木 清、若木信吾、 他60名以上

9月22日(木)〜23日(金・祝)11時〜20時 プレビュー
9月24日(土)〜25日(日)11時〜20時 販売
24日17時から特別オークションを開催。

AXIS Gallery http://www.axisinc.co.jp

ふたつの被災地支援 チャリティー写真イベント(2)

(2)Tokyo Photo 2011_Charity

二カ所目は六本木の東京ミッドタウンホールAで開かれたTokyo Photo 2011。
22日の内覧会に出かけました。
世界から500点以上の写真作品が集まる写真の国際アートイベントです。
国内外の写真又は現代美術のギャラリーが参加し、
写真作品の展示と販売を行なう写真の見本市は今年で三回目。
フランス大使館、フランス系企業がスポンサーについたこのイベントは、
作品の売買が目的のアートフェア独特の華やかさがあり、
ふたつの特別企画展もあって、ほとんどPARIS PHOTOのミニ版です。
(疑問。チャリティーとうたっているけれど、どういう仕組みなのかが
わからない。支援金の募金箱は見かけましたが。)

特別企画展のひとつ、「日本とフランス、共に明日に向かって」展は
日仏のフォトグラファーが見た東日本大震災がテーマです。
これまで各メディアだけでなく、写真展も含めて、かなり多くの被災地のに
関する写真を見てきましたが、レンズに映る被災地はたったひとつだというのが
私の結論です。
もちろん、写真家の作風の違いはあるにせよ、この大災害の爪痕から
何か特別な物を発見して捕まえようと考えるのは無意味な事だと思いますし、
この大災害は写真をもってしても太刀打ちできる物ではないのだと思いました。
むしろ撮る側の目が何を見ているのかを、厳しく問われているのではないでしょうか。
そして写真家が被災地を語れば語るほど、現実と写真とが離れて行って、
むなしいような思いに捕われました。
言葉ではなく写真で語ってほしいというのが本音です。

その中で、長野陽一さんの作品は特別でした。
写真集「シマノホホエミ」やPARISPHOTO(FOIL GALLERY)での展示でも、
海の中で泳ぐ人を撮った作品がありましたが、
今回の被災地の作品も同じ様に海の中を撮影していました。
海底に沈んだ縦笛、ヘルメット、赤い女性の靴。
被災地の海に潜る事は勇気のいる行動だったに違いありませんが、
長野さんの写真表現の方法として、これまでの自身の作品の流れとして、
それはごく自然な事だったのだと思います。
当然の事ですが、誰もが被災地の風景から離れるか又は近づくか、
それしかできない中で、長野さんはその土地の人たちを見つめようと
したのだと思います。

現代美術の中での魅力的な写真作品がTARO NASU GALLERYにありました。
機会があるたび見て来た、松江泰治さんの作品「cell」(最小単位)です。
大きな風景(空撮でなく、自力で移動できる限界までの高さのところから
撮影されている、かなり引きの写真作品)のほんの一部分を
切り取った作品には、人の日常的な生活のあらゆる場面が並んでいます。
写真家の目は大地を捉える広い視野で見ながら、
小さく生きる物を見つめている。
手をつないで走る女の子たち、プールサイドの人、立ち話をする人たち、
屋根の上で寝ている人、それらの何と言う事のないシーンは、
何とも微笑ましく、人間の可愛らしさや幸福感というような、
小さな単位の中での豊かさが見えて来ました。
今までの松江作品を遡って思い出すと、風景だけを撮っているようで、
写真家はいつもこの最小単位を見ていたのだということに気づきました。

写真は撮る側の視点そのものの表現だと思います。
写真作品の中から、自分なりにもっとその意味を感じ取りたい、
ますますそう思っています。

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Tokyo Photo 2011_Charity

http://www.tokyophoto.org

9月22日(木)内覧会
9月23日(金)〜25日(日)一般公開

東京ミッドタウン ホール「日英・日仏による二つの特別企画」

「夜警:クリス・ショウ」展
英国国立美術館テート・モダン写真キュレーター Simon Baker 特別企画。
テート/プレ・コレクション展 。

「日本とフランス、共に明日に向かって」展
日仏写真家8名による「日仏フォトグラファーが見た東日本大震災」を作品展示し、
被災地復興へ向け募金をいたします。(篠山紀信、田原桂一、川内倫子、長野陽一、
Phillip Chancel, Jean-Luc Vilmouth、他)

2011.09.17 Saturday

「思い出サルベージアルバム・オンライン」新しい動画ができました

以前にもご紹介した「思い出サルベージアルバム・オンライン」の活動を
紹介した動画です。4月から進められて来たプロジェクトは、
洗浄された写真やアルバムが次々と持ち主の元に戻り、
地道な活動の成果が上がっています。

「思い出サルッベージアルバム・オンライン」
大きな被害を受けた宮城県南部、特に亘理郡山元町の情報支援を行っている、
日本社会情報学会(JSIS-BJK)による、山元町での写真洗浄・複写プロジェクト。
カメラマンの高橋宗正さんが複写隊長でがんばっています。

2011.09.11 Sunday

復興の狼煙ポスター展を開きます

以前お知らせした「復興の狼煙ポスタープロジェクト」の
ポスター展を開く事になりました。

浅草のギャラリーPIPPOのご協力を得て、
出来たばかりの新作を含め37点のポスターを展示します。
震災から半年が経とうとしている今、
被災地の方々の気持が復興へ向けてどう変化しているか、
そして私達がどう答えることができるか、
皆さんで話し合うきっかけになればと考えています。

会場では被災地で活動を続ける支援団体などへの支援金を募ります。
ご協力くださった方には、東北三県から直送のお菓子を
ご用意しておりますので、そちらもお楽しみに!

下町散歩を楽しめる、合羽橋通りのPIPPOへどうぞいらして下さい。
お待ちしています。

詳細は以下のサイトをご覧ください。
とどけ隊 http://www.todoketai.com
PIPPO http://pippocamera.com