2011.12.31 Saturday

紅白に出演した写真

ハッピーバースディ3.11

YouTubeにアップされて話題になった、ユニセフのCF「ハッピーバースデイ 3.11」をご存知でしょうか。
暮れに朝のワイドショーでフルバージョンが放映され、大晦日の紅白歌合戦では
スクリーンいっぱいに子どもたちの写真が映されました。
この写真を撮影したのは、カメラマンの小林紀晴さん。
作品がテレビで紹介される事はあっても、その番組が紅白とは、なかなか無い事です。
CFも写真展(昨年10月、東京ミッドタウンの富士フイルムのギャラリー)も
素晴らしかったので、一過性のものにならないと良いと思っていました。
紅白で紹介され、多くの人が目にして被災地に心を寄せたことは、とても良かった。
写真の役割が生かされたなと思います。

YouTube  ハッピーバースデイ 3.11 Full Ver. 日本ユニセフ協会

2011.12.22 Thursday

春木麻衣子さんの写真

好きな理由は
芸術的な表現を前にした時、
見た瞬間に説明出来ない何かを感じる、自分の感覚を大事にしておきたいと思っています。
仕事モードで善し悪しを判断するような事は厳禁。
未完成なものの中から、ピカリと光るものを見つけた時のわくわくする瞬間が何より大切なものだからです。

馬喰横山の現代美術のギャラリー、TARO NASUが出店する写真イベントや展覧会で、若手写真家の春木麻衣子さんの作品をみてきました。
初めてみたのはずいぶん前の事ですが、何となくいいなと思ってもすごく好きだ、とは思いませんでした。
しかし、春木さんのプリントは技法も凝っているし、表現に対してのこだわりも相当なものです。
ヨーロッパの人からみると「ZEN」的であり、オーバーやアンダーで極端に
焼き込んだ春木さんの白や黒の色は、絵の具を塗り重ねた絵画の様です。
重みも強さもあるけど、全体に女性っぽさを感じるところが
気になっていたのかもしれません。

一連の作品をすごく好きだと思わなかったのに、どうしても惹かれてみています。
どうしてかなと分析してみると、都合の良い思い込みかもしれませんが、
自分もこういう風に風景を見ているなという気がしてきました。
こう切り取るといいな、というような事を春木さんの作品の中に見つけています。
夕焼けが広がっている夕暮れの空のはじっこを切り取る。
船に乗って見上げた橋に並んでいる人を切り取る。
雪が降る空を、カメラ持っていない…写真は撮れないなぁ、と思いながら切り取る。
考えてみたら、四六時中、目に見えるものを切り取っている事に気づきました。

春木さんの「切り取り方」に共感しているのだと気づいた今日この頃、
TARO NASUオリジナルプリントをたくさん見せていただき、
感覚的に共感した大四つサイズの春木作品を購入しました。
その作品の「切り取り方」は、私には到底真似できないストイックな緊張感がありました。

2011.12.12 Monday

印画紙からわかること

日本の新進作家展

東京都写真美術館によく出かけます。なぜなら、写真に浸って過ごせるから。
当たり前過ぎるかもしれませんが、作品のレベルも高く、居心地もよく、
企画展も常設展も期待できる、そう言う場所が日本ではなかなか無いのです。
その中で、新進作家を紹介するこの企画も楽しみな展覧会のひとつです。

2012年1月29日まで開かれている「日本の新進作家展vol.10ー写真の飛躍」は、
5名の新進作家の最新作が紹介される写真展です。いわば、東京都写真美術館が
マネージャーとなって新人を表舞台に出すと言うようなもの。
5人の作家たちは、フォトグラム、ピンホールカメラ、コラージュ、多重露光という
アナログの写真技術を駆使した作品を制作しています。
おそらくデジタルの画像処理でほとんどのこと(画像処理とも言えること)が
できる今、5人ともがわざわざ手のかかる制作手段を選んでいる理由は、
それぞれの写真の出発点であるとか、写真に対する何らかの考え方をしっかりと
持っているからだと思います。

どれも時間と労力が(様々な材料、人出も含めて)かかっていることは一目瞭然。
ほとんどの作品が大型なのです。
この手のかかった作品は果たしてデジタルで作れるものか?
作品をみながら、その事が気にかかっていました。

このサイズの印画紙って存在しているんだ、というところから始まり、
近づいて初めて分かる事は、印画紙の質感、「焼かれている」ものだと言う事。
どこかに(あるいは分かりやすく)人の手の印が見つかる事が、
「手作り」であることを明確にしていました。
いつでもアナログかデジタルかということが気になってしまいますが、
どちらかでなくてはいけないと言う事ではなく、それぞれの良さを読み解くことで
写真をもっと知る事ができると思うからです。

 

日本の新進作家展 vol.10 ー写真の飛躍
2011年12月10日(土)〜2012年1月29日(日)

添野 和幸/西野 壮平/北野 謙佐野 陽一/春木 麻衣子

東京都写真美術館