2013.01.07 Monday

Samsung Camera – ”INsight”

目の見えないハンデのある子どもたちが、カメラを自由自在に使って写真を撮っている映像は、サムソンのデジタルカメラのプロモーションフィルムです。(カンヌライオンズ2012の他にSpikes Asiaのフィルム部門ではグランプリを受賞)
子どもたちのレンズは、耳に聴こえて来た音の方向へ、手で触れたあたたかいものへ、心で感じた何か楽しそうな方向へ向けられていました。中にはカメラを耳にあててシャッターを切る子、両手を高く上げて蝶を網にかける様に、空へレンズを向ける子どもが写っています。この新鮮な喜びに満ちた姿は、写真を撮る事の本質とは何かを提示しているようです。

デジタルカメラが普及した今、私たちは確実に写真が撮れていることを必要以上に重視する様になったと思います。この映像は、私たちが普段見えているだけで安心していることが、いかにつまらないか、もったいないことかを教えてくれています。私たちの一方向だけを見て判断してしまう視野の狭さ。それは写真に限った事ではありません。
心の目で見よ、というメッセージは、ハンデのある子どもたちへの尊敬の気持ちがこもっていて、声高に宣言する企業理念よりも、この企業が今どちらを向いているかが表れていると思います。企業は何のために大量の商品を作っているのか。それはあらゆる人を幸せにするため。ひとつの新製品を広告するものであっても、普遍的なメッセージを持っているプロモーションフィルムだと思います。

映像の終わりの方では、写真とそれを立体にしたオブジェの展示をしている様子が出て来ます。もう一度、その瑞々しい感性にあふれた写真を見てください。

2013.01.03 Thursday

新しい年に

明けましておめでとうございます。
本と写真を見に来ていただき、ありがとうございます。

誰でも、いま流行っているものが気になることがあると思います。
私自身は自分が何をしたら良いのか分からなくなって、
頼りない気持ちでいる時。おそらくそんな感じです。
しかし、流行が自分にとって新しいものである確率は高くはありません。
自分らしく広い視野を持って、今の時代にあるべき表現を探して行きたいと思います。

よく訪ねる恩賜上野動物園で、動物たちの生きてきた年代に驚く事がよくあります。
例えば、キリンの祖先と言われるオカピは1000万年もの間姿を変えずに生きてきた、歴史の長い動物です。
森林で暮らしていたオカピが発見されたのは何と20世紀に入ってからというのですから、長い長い間、樹々の陰に隠れていたんですね。そのうち草原に適応したものが現れ、現在のキリンの仲間に進化していったと言われています。

ビロードの毛並みと美しい縞模様。自然界の斬新なデザインに驚き、ほれぼれします。はるか遠い時代に生まれたものこそ、今の私たちにとって新しくて大切な事が詰まっている。そんな気がしています。

(英名: Okapi)キリン科に属する哺乳動物。
コンゴ民主共和国のオカピ野生生物保護区に生息。準絶滅危惧(IUCN)。

写真は、数年前に取材で伺った、恩賜上野動物園のオカピの飼育舎で撮ったものを加工しました。