2014.12.28 Sunday

Cover更新しました

Cover 02 松谷友美さんの写真

すっぽりと雪に包まれた、ここは秋田県の田沢湖だそうです。
寒い寒い中を歩いて、たどり着いた湖の風景。湖畔の山々から、おそらく秋田駒ヶ岳から遠く岩手山までつながって行きます。
写真集「六花(りっか)」の最後の方で見つけたこの写真は、ひと目見て、この場所の空気を吸ってみたいという気持ちになりました。ここは東京から遠い地方の雪景色ではなく、どこか温かくて身近に感じられるのは不思議な事です。こういう感覚を持つ写真に出会う事がしばしばありますが、写真家が同じように感じて撮影したからに違いないと思います。

おまけにこんな写真を。
羽田から青森へ向かう飛行機の中から見えた田沢湖。湖畔の山と秋田駒ヶ岳の向こうに岩手山が。10月の終わり、紅葉が盛りを過ぎる頃でした。

2014.12.20 Saturday

「F」_Film&Format グループ展のご案内

渋谷のギャラリー・ルデコで開催されるグループ展「F」に、Book Photo PRESSの制作をしている長尾敦子と高橋桂子が参加します。「F」は、浅草にある暗室&ギャラリーPIPPOでフィルムとフォーマットにこだわった作品を定期的に展示して来た人たちが中心になっている、アマチュアのグループです。アマチュアと言っても、プロとして展示に参加、作品を販売して活動している方もいて、それぞれのやり方で写真に取り組んで知る13人が展示をします。
今は特殊な物として扱われるようになったフィルムに、自分たちなりの光のあて方をした写真展です。この機会にフィルムで撮られた写真とそれぞれのフォーマットの違いをご覧いただいて、銀塩写真を楽しんでいただきたいと思っています。

私たち2人は、写真を見る事、写真を使ってデザインする事、画像データを作る事に関わる仕事をしていますが、自分で作品を制作して展示する事が、写真に対しての見方や考え方を広げてくれることを痛感しています。作品展示の渦中にいることで、作品を見る側の目にもなりつつ、良い展示を考える為の訓練をしているように思っています。

初日の23日(火・祝日)17時より、オープニングパーティーがありますので、お気軽にご参加ください。みなさまのご来場をお待ちしています。

「F」Film & Format Photo Exhibition

会場:ギャラリー・ルデコ
会期:2014年12月23日(火)~28日(日)
11時~19時 ※最終日は17時まで

 

2014.12.19 Friday

29 winter_本という表現のかたち

松谷さんの写真集2冊目をご紹介。この「29 winter」という写真集は、「六花(りっか)」の制作途中に、衝動的に作った写真集だそうです。ここには、いままで見て来た松谷さんの写真とは違う世界があって、作家の内面を見せられたような驚きがありました。「六花」で自分の写真の形が決まってしまうような気がしたという松谷さんは、おそらく「六花」を通り過ぎて日々変化して行く自分の心情を何かの形で表現したかったのでしょう。
時間とお金と労力をかけて制作する写真集の重みというものは、素晴らしい物である反面、写真を撮って来た時間や場所や、関わる事すべてがしっかりとした箱の中に納められてしまう寂しさもあると思います。納めた後、新しく何かが始まるような、そういう本が理想的なのだと思います。この「29 winter」は、松谷さんにとって、「六花」の後に始まった新しい世界観なのかもしれません。

こうして作家が積極的に表現を形にして伝えて行く、その表現活動の一旦に本という形があると思います。本と写真で新しく始めたBook Photo PRESSは、表現のためのひとつの媒体として存在したいと考えています。来年は、松谷さんのアーティストブックも制作する予定です。どうぞお楽しみに!

松谷友美写真集「29 winter」
2014年9月
A4変型/80ページ
写真集の購入は、松谷友美さんのウェブサイトで。

「六花」_雪の写真集

Photoの頁でご紹介している松谷友美さんが,「六花(りっか)」という写真集を10月に刊行されました。10年の間、日本中撮影してまわった作品から選んだのは、自分にとって馴染みがいい東北の写真ばかりだったそうです。しかも、ほとんどが寒い季節の写真。何点かある夏の風景がその中に紛れ込んでいるような印象です。「六花」とは、雪の別称で、結晶が六角形であることに由来するそう。これはイメージの中の「東北」と言い換えることもできそうです。


松谷さんは何を撮る時でも、自分の目がちょうどいいという所まで二歩以上下がって立ち位置を定めている。相手の領域に立ち入りすぎず、かといって意識的に距離を作っているわけではなく、見つめながら、そっと触れるような感覚。この写真集を見てそんな撮影の風景が浮かびました。
どんどん寄って、限界まで近づいて撮るというやり方もあると思いますが、松谷さんはそんなにぎりぎりまで詰め寄ったりはしない、被写体とレンズの間に余裕があって、このことは写真を撮る余裕につながっているのではないか、とも思います。そんなふうに撮られた写真は見る側に緊張感を強いる事が無く、いつの間にか肩の力を抜いて静かに見ている気がします。

松谷友美写真集「六花」(りっか)
蒼穹舍/2014年10月1日発行
A4変型/上製/カラー/500部
80ページ/作品点数:67点
写真集の購入は、松谷友美さんのウェブサイト蒼穹舍で。

刊行に合せて、写真展も開催されます。
松谷友美写真展「六花」(りっか)
会期:12月22日(月)-28日(日) / 1月5日(月)-11日(日)
会場:蒼穹社