2015.12.31 Thursday

新年から始まる新しい事 その1

四苦八苦しながら、一年間Book Photo PRESSという名で作家の方と一緒に、アーティストブックやノートを作って来ました。でも、まだ数が少なく、まだまだ勉強不足。来年は体力をつけて、たくさんの個性的な作家を知ってもらうきっかけを作りたいと心の底から思っています。
そんな中、幸運な事に来年1月からパナソニック汐留ミュージアムで、Book Photo PRESSが制作するアイテムを販売する機会を得ました。「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」の2ヶ月の会期中、版画家の杉山啓子さんの作品を使用した紙のアイテムを制作させていただきます。このことは、Book Photo PRESSでやろうとしている事にイメージがぴったり合います。

そもそもBook Photo PRESSを始めた理由は、作家と一般の方をつなげるための媒体を作る事でしたから、それがミュージアムショップと言う場所で展開されるのは、求める人と 求められる人が出会う理想的な状態です。美術や写真といったアートが好きな人たちが集まり、小さな作品のかけらを買っていってくれる。かけらはとても広範 囲に散らばって行き、持ち主の毎日の中での小さな楽しみのひとつになるとしたら、それは作家と作品に取って本望なのではないかと思います。そんな一人一人と密接に関わって、わくわくする様な感情や心地よい刺激を生み出すのも、アートが担っている役割のひとつだと思います。
自分の作品が、例えばポストカードの一枚になる事をどう思うかは作家それぞれの考え方ですが、作品を知ってもらうため、楽しんでくれる誰かのために、小さくてもいい形を模索していくのも必要な事だと考えています。Book Photo PRESSでは、できる限り質の向上を図って、作家と作品の存在が素晴らしい形で人の手に渡るように進めるつもりです。
好きな作家と作品に関わる事は至上の喜びです。悩みながらも、何て楽しい事を始めたんだろうかと、幸せに思っています。このいい感覚を紙にのせて皆さんにお届けできるよう、来年も楽しみながら奮闘します。どうぞよろしくお願いします。(長尾敦子)

写真は鳥取の植田正治写真美術館の帰りに泊まった、皆生温泉の早朝の浜辺です。対岸には風力発電のたくさんのシルエットが。その空と海に山陰の複雑で繊細な色調が広がっていました。何とも言いがたい清冽な雰囲気に希望を見た様な気がしたのを覚えています。新しい年もこんな朝が来ますように。