2016.01.01 Friday

新年から始まる新しい事 その2

みなさま、明けましておめでとうございます。

昨年はいろいろな方とお会いして、新鮮な刺激を受ける一年でした。東京・西荻のギャラリー蚕室のオーナー小沢典子さん。ガラス作家でもある小沢さんは、作家が展示をする場所を作ることが目的で、ギャラリーを運営していると言う、作家でありながら、それを支えるギャラリストの立場を実行している方です。その小沢さんの強い思い入れとともに紹介していただいた方が、カレンダーとノートを作る事になった画家の三星玲子さんでした。

エディション・ノルト(edition nord)というデザインと出版の会社を運営している新潟在住のグラフィックデザイナー、秋山伸さんと、奥様の堤あやこさんとの出会いもありました。堤さんは、六日町の雑貨店兼ギャラリーポンコタン(poncotan)を経営されています。今年は2月に初めて中藤毅彦さんの展示を見にポンコタンへ、9月にエディション・ノルトとポンコタンが運営する大地の芸術祭のカフェシアンと川俣正さんの展示へ行きました。秋山さんと堤さんのことは、是非こちらDOT Place のインタビューを読んでみてください。 新潟という土地で地に足の着いた自分たちらしいやり方を実践されている事は、理想的ですが、デザインという仕事においてはなかなかハードルが高く、それをクリアしているお二人を本当に尊敬しますし、どこか羨ましくもあります。9月、芸術祭の帰りに寄った南魚沼の澄んだ空気と水は、今まで知らないものでした。そして制作の場所を選ばない、秋山さんの挑戦的で先鋭的なグラフィックデザインは、ご自身がアーティストである事に違いないと思っています。

Book Photo PRESSでは画家の今井ちひろさん、写真家の松谷友美さん、書家の華雪さんとも度々ご一緒する機会がありました。今井さんも松谷さんもたくさんの展示をされて、着実にそれぞれの表現が力を増していると思います。華雪さんは、書も篆刻も文章も、そしてお料理まで実力を認められている現代美術の世界で書家として活動されている作家です。1月11日まで青森県十和田現代美術館で開催されている「高橋コレクション」の所蔵作品作家のひとりとして、展示に参加されています。 1/10には、書き初めのワークショップが、1/11には華雪さんとコレクターの高橋源一郎さんのクロージングイベントが開かれます。私は華雪さんの書がとても好きで、特に言葉を繰り返し書いたり、詩の一部分を書いた様な書に惹かれます。説明すると、文字が連なる事でそこに言葉の意味が雰囲気を作る、というような感じを強く受けています。

そして、NPO法人LIFEKNITの編み物作家、横山起也さんとも楽しく個性的な編みキノコのブックを作りました。編み図なしでイメージを形にしていく事の面白さを教えていただけたらと、編み物のワークショップも考え始めました。今後は横山さんのNPO法人の代表としての活動も考えられているとの事、来年一年間、全国のキャンプ場での編み物ワークショップが計画されているそうで、それもどんな展開になるのかとても楽しみです。Book Photo PRESSでは、今年10月からの直販の売り上げから10%をLIFEKNITへの寄付に充てる事にしました。この事は、近々詳しくご報告いたします。

6月に尼崎で開かれた写真イベントAMABAWで、アマチュア写真家 石田榮さんと、ニッコールクラブ大阪支部の宮崎豊さんを、ご紹介いただきました。石田さんが昭和20年代の高知県で働く人たちの姿を5年間取り続けた写真を、5月頃を目標に写真集として刊行します。歴史的に日本のアマチュア写真の中心とも言える大阪で、作品もお人柄も魅力的な石田さんに出会えた事は、写真に関わりを持っていてよかったとつくづく思う出来事でした。
石田さんの写真集の事は、今後FBで随時お知らせしていきます。

昨年はデザインや建築に関わる非常に残念な話題がありました。でも、まじめに取り組む人が作品を作り出す過程と作り出されたものは、そうそうやわではありません。それを身をもって知っている人は、これからも同じように自分の仕事を続けていくのみです。
今年始まる新しい事と、幸いにして出会った方の事を書いていたら、今、何か新しいものを作り出さないではいられないという気持ちになりました。希望をもち、きっと良い年にします。2016年もよろしくお願いします。(長尾敦子)

写真は、大分空港から別府へ向かうバスの中から。iPhoneには国東市安岐町下原と出ています。写真を撮る時に光ばかり撮っている事に気づいて、太陽の光そのものの美しさを撮れたら良いなと思っています。今年はまたフィルムで撮影しようと決めた写真愛好家です。写真は楽しいですね。