2017.02.09 Thursday

プリントが教えてくれる

植田正治さん自らが焼いた貴重なの銀塩プリント(モダンプリントは制作されていないそう)を見せていただく機会がありました。衝撃的だったのは、作家本人の指の形が印画紙のはじに焼き付けられていたことです。これはイーゼルから印画紙がはみ出していたためですが、その白い指の形の生々しさに暗室作業の時間が浮かび上がってきて、制作に向かっている作家の勢いが迫ってくるようでした。プリントはいろいろなことを教えてくれる物だなと、つくづく思うこの頃です。

暗室の時間は写真家にとっては全力を傾けるかけがえのないものです。デジタル作業が主流になっていても、写真をやっていこうとする若い人たちには、写真という物とのつきあい方を大先輩の姿から読み取ってほしい。今は実感できなくても、それほど遠くないある日、作品にも人にも必ず違いが現れてくると思います。