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01 時間が詰まった家庭料理の本

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初めて行った、ウィーン旧市街の書店で購入した本のタイトルを、最近になって日本語に訳してもらいました。オーストリア東南部の州、「シュタイアーマルク地方の料理の本」。カバー、帯は無く、表紙はストライプ(織り)の木綿の生地でくるまれています。造本が大変丁寧で、カバーも帯も無い姿は飾り気の無い普段着といった感じです。「1732年頃にできた料理のレシピが、口承でおばあちゃんからおばあちゃんへと伝わっていき、それに現代風のアレンジを加えたのがこの本です」というのがおおまかな内容。おばあちゃんのおばあちゃんのおばあちゃんの本、となるとかなり古い。本文には薄茶のしみがリアルに印刷してあり、石版画のようなさし絵は、大昔のオーブンや台所道具です。インデックスのタイポグラフィーも力強く美しく、代々使ってきたおばあちゃん達のいたずら書きの絵とメモが印刷されているところもリアルです。
さらにページをめくって行くと、本当にキッチンで使われて来た本のように、スープのレシピのそばには、あまった月桂樹の葉が一枚。お菓子のページには置き忘れたレースペーパーが挟まっていました。読者が思わずにっこりするようなおまけ付き。しかし、この今にもすべり落ちそうな素材がはさまったまま、ごく当たり前に書店の棚で売られていたのには驚きです。出版は1981年、版元はドイツの出版社で、巻末にはドイツ、オーストリア、スイスの地方料理の出版物一覧がありました。
古本じゃないの?と疑いたくなるこの本は、少しのユーモアを含んだ”古さ”がデザインされています。
補足…シュタイアーマルク地方Steiermark:オーストリア東南部に位置する州で、州都はグラーツ。
州の50%が緑に覆われ、別名Das Grüne Herz Österreichs/オーストリアの緑のハートとも呼ばれている。
特産はカボチャ。カボチャの種油やジャムなどの加工品がたくさんある。また、ワインの産地でもあり、ロゼワインのシルヒャーが有名。
題 名 「シュタイアーマルク地方の料理の本」
Das Kochbuch aus der Steiermark
Christiane Buchner
(c)1981 Verlag Wolfgang Holker
著 者 クリスティアン・ブフナー 編・著・監修
サイズ 313×241
おまけ 月桂樹の葉 1枚、レースペーパー 1枚
購入した時期 18年くらい前
購入した場所 ウィーン旧市街 アルベルティーナ宮殿近くの広場に面した書店で