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02 たった8ページの本

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1990年頃、友達が在籍していたRCAの卒業制作展、サマー・ショーに行った事があります。イギリスにあるアート・デザイン系の世界最高峰である美術大学院の学生達は、それぞれがすでに個性的な名刺を持ち、すぐにでもデザイナーとして、建築家として、アーティストとして仕事をして行ける自信とプライドを持っているように見えました。

そんなプロ顔負けの作品の中で、何だかゆるい感じの板のような本を見つけました。ページ数は表紙を入れてもたったの8ページ。かなり厚い板紙を合紙してあります。紙を使って板を作ったという感じでしょうか。 海外の市場などでよく見かける、フルーツの絵がプリントされた木製の入れ物がありますが、それをコラージュして材料の名前を彫刻し、更にそれを撮影して印刷しています。レシピは一文字ずつスタンプで押してあるので、太さはまちまちで手書きのような風合い。6人分のレシピをゆるゆると書いていっても、8ページで終わりです。実際にフルーツが入っていた箱に名前が彫ってあると言っても、ただそれだけのことで、特別な意味は何も見つかりません。しかし、造本がしっかりとされているので、仕上げの良さが本の完成度を上げています。
その存在自体が、可愛いらしさを自然に醸し出しているものが時々あります。それは決まって、どうです、私こんなに可愛いいんです、と大声で主張していないもの。この本の制作者であるパスカルさんは、すっかり大人になった今も、更に磨きのかかった肩の力の抜けたデザインをしているでしょうか。そうだといいなぁと思います。
題 名 「スペインの伝統的なサングリアのつくり方」
A Traditional Spanish Recipe for Sangria
(c)RCA 1991 Pascal Hatton Graphic Design
著 者 パスカル ハットン
サイズ 286×300
購入した時期 1991年の夏
購入した場所 イギリス ロンドン王立芸術学院(Royal College of Art)