• 01
  • 02
  • 03
  • 04
  • 05
  • 06
  • 07
  • 08
  • 09
  • 010
  • 011
  • 012
  • 013
  • 014

05 赤と黒の本 その2 「おのぼりさんのパリガイド」

book05_01 book05_02 book05_03 book05_05 book05_06
どこかに出かけたいと思った時、まずはガイドブックを探し、インターネットで調べるということをします。そこには必ずその土地の写真があり、それを見てちょっと安心すると、初めて旅の準備が始まると思います。

赤と黒の本の二冊目は、その旅の準備に反して、文字とイラストだけで構成されたパリのガイドブックです。詩人、作家、ジャーナリストである著者は、田舎出身の主人公がパリに向かい、そこで見たものや人を「田舎で鍛えた耳と目で」ユーモアに描写する。と前書きに書いています。
私は、写真など一枚もないこの本を見ただけで、パリ未経験の人でも、何となくパリの匂いを感じるのではないかと思いました。簡単には真似ができない、ちょっとしゃれている雰囲気。親切なのか、そうでないのかわからない感じ。私はこれが好き、いいと思うのだ、という主張。いろいろと細かく紹介して、ガイドですと言いながら、結局パリはパリなのだ、とぶつぶつ独り言をしゃべりながら歩き廻っているような本です。

赤い色が使われているのは表紙の文字だけなのに、赤い色の印象が強く残ります。そして似たようなタッチのイラストは、何と5人のイラストレーターが描いていました。このあたりの独特なセンスも、パリ、フランスなのだ、と言えるのかもしれません。50年以上前の本ですが、私が古さを感じるのは焼けてしまった紙の色だけです。文字とイラストに限定して、読者の想像力を頼りにしたガイドブックに新しさを感じます。

主な内容
・冒頭:パリ到着までのこと
(パリに向かう列車の窓から見た電柱、食堂車、駅に到着、ホテルのエレベーター)
・13ページ~
駅、教会、橋/細い道、工事現場、植物、動物、交通機関、郵便/電話、映画館、展覧会/見本市
・81ページ~
パリの人々(消防士、ストリート歌手、自転車警官、ポスター張り、サイクリスト、
露天商、帽子売り、新聞配達、イスの藁詰替/食器修繕屋、公証人、代議士、アカデミー会員)
・93ページ~
いろいろ(街灯、道の叫び、18世紀のスナップ写真、自分の分身、騒音、電気工場、ベルシーの倉庫、タバコ店、クリスマス)
補足…この本は、「フランス綴じ」と呼ばれる綴じ方です。本文の天(上部)がカットされていない状態で売られている物で、ペーパーナイフなどを使って自分で切り離します。本の上部がギザギザになっているのは、この本を買った時、中身を早く見たくて慌てて切ってしまった結果。この製本の方法については、また改めて書きたいと思います。
題 名 PARIS en zig-zag
著 者 Georges BARBARIN(ジョルジュ・バルバラン)

自費出版 500部 1952年
サイズ 210mm×135mm

購入した時期 2000年頃
購入した場所 パリ北部 クリニャンクールの古本屋