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10 かわいい遊びの本

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ブルーノ・ムナーリ(1907-1998)というイタリア人の造形作家の著書です。

ムナーリはとてつもなく幅の広い仕事をしていた表現者。本人が自分のコンセプトを、「発明家」「芸術家」「著述業」「工業デザイナー」「建築家」「グラフィックデザイナー」「子どもといっしょに遊ぶ人」と書いていました。その仕事は、あらゆる分野に広がっていて、簡単には説明できないのですが、とにかく想像力とアイデアの宝庫のような作家です。
ムナーリのアルファベットの絵本は私も持っていたのですが、こんなに楽しくかわいい遊びの本があるのは知りませんでした。簡単にいうと、レタスやキャベツやズッキーニやチコリを切ってスタンプを押す、それだけの本です。ところがどれも花のような、バラのような形にスタンプされます。何でも無いようでいて、素晴らしい発見。

子どもの頃は、こういう楽しいことをたくさん見つけていた気がしますが、大人になると、こんな思いつきは頭の隅に追いやられて、いつの間にか消えてしまいます。それを大人になっても当たり前のように実践していた人のかわいい遊びの本を、今回は訳を付けてご紹介します。ユーモアのある言葉の表現と、食べ物を素材にするところがイタリアの人らしいと言えるかもしれません。
サラダ菜の中のバラ 内容(訳・鈴木るり)

P5
 八百屋に買い物に行こう。トレビーズ一株、レタス一株、ローメインサラダ一株、チコリひとつ。これらのサラダ菜は全部、少々閉じているものがよろしい、開ききってしまったものは選ばないように。それからピーマンも1個か2個、ひとつは下のでこぼこが4つで、もうひとつは3つのものを。熟してない方がいい。なぜかというと硬ければ硬いほど、スタンプしやすいからね。それと芽キャベツを5,6個、セロリを少し、これは一株で十分。小さな白かピンクのたまねぎを2,3個。ズッキーニ1個にソラマメを1個か2個、ウイキョウ2個。そうしたら家でまな板と良く研いだ包丁を用意しよう。便箋と(ここにバラをスタンプするよ)新聞紙(これから切っていく野菜の断面を拭くための古新聞だ)を何枚か。最後にスタンプ台をいくつか用意するよ、いろんな色でね。紫、赤、青、黒、緑。黄色はスタンプ台にはないから、色のついていない台をアニリンの黄色い粉と(画材屋で買える)やや乳化した油を混ぜた液に浸して作らなくてはいけない。

作業の準備は整った。サラダ菜を取り出して、まな板の上に置いたら茎の近くを切るんだ、葉がつながっている部分が少し残るように注意しながら。これがスタンプになるんだ。好きな色につけてから押してみよう、ほら、バラができた。どの色でもできるよ、いろんな色のスタンプ台に茎をつけてみればいい(前に使った色を落とすためにも、先に拭いた方がいいな、特に濃い色の時はね。そうしないとすぐに全部のスタンプ台が汚くなってしまうから)。

他の野菜でも作業を続けてきれいな形を見つけていこう。お楽しみに!

P7
 ほら、レタスのバラとローメインサラダのバラだ。いろんな種類のサラダ菜それぞれから違ったバラが現れるよ。

P11
 チコリのバラ。そしてバラには見えないね、茎の丸いところを紙に押してみたら、目みたいだ。サラダ菜の中の魚の目?あり得るかい?それとも目のあるバラ?残りに目のあるサヤエンドウはないかい?それから鼻のあるピーマンとか。

P12
 チコリ島上空を飛んでいます、安全ベルトをお閉めください。島の半分は木が生い茂り、もう半分は火山でございます。低いところに入り江が見えます。住人はおりません、灯台守がいるだけです。

P19
 バラの島の中を長く旅した後は少々休憩。水仙の萼をいろんな高さのところで切ったものをスタンプしたら何が出てくるか見てみよう。こんな風にして鏡の縁を飾ることもできるね。

P35
 ベルナルディーノが眠っている間に、アイリスの萼を切ってみようよ。そしてトレビーズと一緒にスタンプしよう。

P36
 それからセロリだ。僕たちはセロリも買ってなかったかい?

P45
 「ちょっと見てくださいな、奥様、このしおれたけれどまだ香っているバラの美しいデザインを。イヴニング・ドレス用のシルクにプリントしたらいかがでしょう」セロリが言ってる。でも誰も聴いちゃいない。

P52
 タマネギ、ピーマン、トマトのサラダはいい感じ。小さく切って、ガルダ産オイルとバジリコと塩であえる。横に切ってスタンプしたピーマンは、4枚や3枚の花びらの(ピーマンの先端が4つか3つかによるんだ)こんなにきれいな花になった。
題 名 rose nell’insalata サラダ菜の中のバラ
著 者 Bruno Munari ブルーノ・ムナーリ
出版社 Edizioni Corraini
サイズ 210×146